赤ちゃんのSMAについて |
SMAは進行性に筋力が低下し徐々に筋肉が細くなっていく病気ですが、現在は治療法があり、症状が現れる前(発症前)や症状が進行する前にケアすることで症状が改善されるようになりました。赤ちゃんの時期に診断されるSMAについて解説します。
脊髄性筋萎縮症(SMA)は、運動のために使用する筋肉を保つために必要な運動神経が徐々に減少して、筋力が低下したり、筋肉がやせ細ってしまう遺伝子の病気です。影響は患者さんひとりひとりで異なりますが、共通するのは筋力の低下によって進行性に運動機能が障害されることです。
従来は症状が出てから病気を疑い診断がされていましたが、最近では拡大新生児マススクリーニングの普及により症状が出る前の診断や治療も可能になりました。
SMAは原因となる遺伝子が生まれつきないことや、働きをもたないことにより発症します。症状が現れる月齢・年齢と運動機能によって4つのタイプ(Ⅰ型~Ⅳ型)に分かれています。
全体の約6割でみられるⅠ型SMAは、治療なしでは生後6カ月までに症状がみられ、治療をしていない場合、母乳やミルクを飲む力が弱い、首がすわらない、寝返りをうてないなどの症状が徐々に現れてきます。
早期に発症するタイプのSMAは進行がとても早いため、すみやかなケアが重要です。早期の治療開始により、これまでのSMAの経過ではみられなかった発達を得られる可能性があります。
SMAの原因や症状についてもっと詳しく知りたい方はこちら(赤ちゃんのSMA以外の情報も含まれます。)
用語解説:拡大新生児マススクリーニング(拡大マス)
新生児マススクリーニング検査は、生後4~6日に赤ちゃんのかかとから少量の血液を採取して先天性代謝異常や内分泌疾患がないかを調べる検査です。従来の新生児マススクリーニング検査では20の先天性疾患を調べることができ、すべての赤ちゃんが無料(公費)で受けられます。
近年は、「拡大新生児マススクリーニング検査」として、新生児マススクリーニングにSMAやSCIDなどの先天性代謝異常症の検査が追加できるようになりました。追加の検査が受けられるかどうかは、都道府県や出産施設ごとの判断になります。
拡大新生児マススクリーニング検査は、追加マススクリーニング(追加マス)、付加マススクリーニング、オプショナルスクリーニング、NBS(New Born Screening)などと呼ばれることもあります。
※SCID:重症複合免疫不全症(以下SCID):生まれつきの免疫系の異常により、感染に対する抵抗力が低下する病気で治療法があります。
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