SMAを疑う

症状があらわれ始める年齢によって、SMAの症状は異なっており、大きく4つに分けられます。症状は患者さんひとりひとりで異なっていますが、下記のような症状がみられたら「もしかしてSMA?」と疑ってみてください。Ⅲ型やⅣ型のSMA患者さんの場合は、いままでできていた運動機能(立つ、歩くなど)が徐々にできなくなることで気づくことがあります。

発症の時期によってSMAは症状が異なります1

SMAの型 症状があらわれ始める年齢 到達できる最も高い運動機能
Ⅰ型Ⅰ型 生後0~6ヶ月 お座りできない
Ⅱ型Ⅰ型 生後7~18ヶ月 座った姿勢を保てる(立つことができない)
Ⅲ型Ⅲ型 生後18ヶ月以降 支えなしで歩ける(徐々に、歩けなくなっていくこともある)
Ⅳ型Ⅳ型 青年期後期/成人期 運動発達は正常範囲

Ⅰ型 【生後0~6ヶ月】

  • 首がすわりにくい
  • 咳が弱い
  • 泣き声が弱い
  • 食べものを噛んだり飲みこんだりする筋肉の力が弱くなってくる
  • 筋力が弱くなってくる
  • 横になっているときに「カエルの足」のような姿勢をとる
  • 身体の両側ともに、重い筋力低下がある
  • 呼吸に用いる筋肉(肋間筋)の力が弱くなってくる(シーソー呼吸など)

Ⅱ型 【生後7~18ヶ月】

  • 座った姿勢で背中が丸い
  • まれに飲み込みや咳、呼吸に障害がおこることがある
  • 手の指がふるえる
  • 筋肉痛や関節の動きの制限がおこる
  • 脊柱側弯症(背骨の弯曲)などがおこり、装具や手術が必要となる場合が多い

Ⅲ型 【生後18ヶ月以降】

  • 転びやすい
  • 一般に、腕よりも脚の筋肉の方が、強く影響をうける
  • 筋肉痛
  • 関節が硬く動きにくくなる、一部の関節を使い過ぎる
  • 手の指がふるえる
  • 脊柱側弯症(背骨の弯曲)がおこることもある

Ⅳ型 【青年期後期/成人期】

  • 症状は、若年発症型SMAと似ている。成人期に、筋力低下やふるえ、筋肉のひきつりや痛みが徐々にあらわれはじめる

子どもの運動発達に関する親からの報告は、信頼性の高い情報です。運動発達の遅れについて小児科を受診・相談することはこの病気の診断、適切なケア戦略を決めるために有効です。

1「脊髄性筋萎縮症SMAってどんな病気?」より (東京女子医科大学 齋藤加代子先生監修、バイオジェン・ジャパン作成)