脊髄性筋萎縮症の症状 |
脊髄性筋萎縮症(SMA)の症状は、進行する筋力の低下、筋肉の萎縮などです。一般に、筋力低下は左右で同じようにおこります。
SMAに現れる症状はひとりひとり異なっており、症状が始まる年齢と運動機能に基づいて病気のタイプを分類します。各タイプ内での重症度もさまざまであり、25%程度の人は正確なタイプを特定できていません。
年齢相当の運動発達レベル
座れない(“nonsitters”)
タイプ
Ⅰ型(別名:Werdnig-Hoffmann病)
年齢相当の運動発達レベル
自力で座れる(“sitters”)
タイプ
Ⅱ型(別名:Dubowitz病)
年齢相当の運動発達レベル
自分で歩ける
(“walkers” しかし、歩けなくなっていくこともある)
タイプ
Ⅲ型(Kugelberg-Welander病)
年齢相当の運動発達レベル
運動発達は正常範囲
タイプ
Ⅳ型
<参考>こんなことで困っている方はいませんか?Ⅲ型SMA患者さんでみられることのある症状のご紹介
監修:兵庫医科大学小児科学講座 主任教授 竹島 泰弘 先生
子どもの運動発達に関する親からの報告は、信頼性の高い情報です。運動発達の遅れについて小児科を受診・相談することはこの病気の診断、適切なケア戦略を決めるために有用です。
子どもが年齢相応の標準的な運動発達レベル(自力での頭の姿勢を支える、寝返り、上体起こしなど)に達していないことに、親が気づく場合があります。飲み込んだり食べたりすることが難しくなることや、むせたり食べ物を肺に吸い込んだり(誤嚥(ごえん))することなく飲み込むことができなくなることもあります。
すべての子どもはそれぞれのペースで成長しますが、世界保健機関(WHO)はMulticentre Growth Reference Study(MGRS)の一環として、一般的な運動発達レベルのガイドラインを発表しています。